兵庫県尼崎市の全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが一時紛失する事件がありました。
USBメモリを紛失したのは、尼崎市から業務を委託されていた情報サービス会社「BIPROGY(ビプロジー)」が業務の一部を再委託した「アイフロント」の更に再委託先の業者の社員だといいます。
しかし、「BIPROGY(ビプロジー)」は再委託をする際、尼崎市の許可を得ていなかったんだとか!
このことから、再委託の多重請負が違法なのでは?なんて声もあがっているようです。
そこで、再委託が違法にあたるのかや、紛失の経緯についてまとめてみました!
さっそく詳しくみていきましょう。
【尼崎USB】委託業者の再委託は違法?!
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兵庫県尼崎市で、全市民約46万人の個人情報が入ったUSBメモリーが一時紛失し、後に無事発見された事件がありました。
この事件で、尼崎市から業務を委託されていた情報サービス会社で旧日本ユニシスの「BIPROGY(ビプロジー)」が業務の一部を「アイフロント」へ再委託していたことがわかりました。
さらに、旧日本ユニシスの「BIPROGY(ビプロジー)」から業務委託されていたアイフロントも別の業者へ再委託していたといいます。
こういった委託業者の再委託は、違法なのでしょうか?
結論から言うと、違法ではありません。
今回のケースのような、個人情報の管理については「個人情報保護法」で再委託に関する規定があります。
個人情報保護法の22条において
個人情報取扱事業者は、個人データの取扱の全部または一部を委託する場合は、その委託先について必要かつ適切な監督を行わなければならない
とされています。
このように、委託先の監督責任は課されますが、委託すること自体は禁止されていないそう。
そして、委託先からの再委託についてですが、委託元が再委託先に対しても、監督義務を果たすことで再委託が可能であるとされています。
しかし、今回は尼崎市は旧日本ユニシスの「BIPROGY(ビプロジー)」が「アイフロント」へ再委託していたことを知らなかったといいます。
となると、ビプロジーは契約違反をしていることになります。
尼崎市によると、尼崎市とビプロジーとの契約では、再委託には市の許可が必要と取り決められていたそう。
これに対し、ビプロジーは
「委託について市への申請を怠っていた。原因については調査中」
「社内の情報共有ができておらず、未申請であることは、2022年6月24日の記者会見時に幹部が把握していなかった。
一連の責任は弊社にあり、重く受け止めている」
と謝罪しています。
尼崎市の担当者は、ビプロジーがアイフロントへ委託していたことも、アイフロントがさらに委託していたことも把握していなかったとのこと。
また、ビプロジーも、アイフロントが再委託していたことを知らなかったようです。
ビプロジーとアイフロントがどのような契約をしていたかは明かされておりませんが、アイフロントも契約違反をした可能性が高いでしょう。
紛失したUSBが無事に見つかったとはいえ、尼崎市民の個人情報が流出していないとは言い切れません。
どうか、尼崎市民の個人情報が悪用されないことを願っています。

【尼崎USB】委託業者が紛失した経緯を徹底解説!
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尼崎市民の個人情報が入ったUSBメモリを一時紛失する事件がありました。
なんでも、尼崎市のUSBを紛失したのは尼崎市から業務を委託されていた情報サービス会社「BIPROGY(ビプロジー)」が業務の一部を再委託した「アイフロント」の更に再委託先で、再々委託先の業者の社員だといいます(かなりややこしいですね)。
そこで、尼崎市のUSBを委託業者が紛失した経緯をまとめてみました!
委託の経緯
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まずは、尼崎市からの委託の経緯です。
尼崎市は、住民税非課税世帯等に対する臨時給付金支給事務の業務を、旧日本ユニシスの「BIPROGY(ビプロジー)」へ業務委託しました。
しかし、ビプロジーから更に再委託があったことがわかりました!
尼崎市が業務委託
→BIPROGY(元請け)
→アイフロント(下請け)
→委託先業者(孫請け)
なんと、尼崎市が委託した業務は、孫請けの業者が担当していたことがわかりました!
USBメモリ紛失の経緯
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続いて、尼崎市の全住民の個人情報が入ったUSBを紛失した経緯についてです。
- 2022年6月21日:ビプロジーが再委託したアイフロントから業務を委託された協力会社の40代の男性社員が、尼崎市市政情報センターからデータをコピーしたUSBメモリを持ち出し、協力会社の社員ら3人と吹田市のコールセンターで合流。
- 2022年6月21日午後7時半ごろ:データ移管作業終了後、USBメモリをかばんへ入れて4人で居酒屋に立ち寄り、食事や飲食を済ませ、午後10時半ごろに解散。
- 2022年6月22日午前3時ごろ:男性社員は泥酔し帰宅途中に路上で寝込んでしまい、目覚めた時にUSBメモリの入ったかばんがないことに気付く。
- 2022年6月22日朝:USBメモリを紛失した社員が、仕事を休み、可能性のある場所を捜索するも発見できず。
- 2022年6月22日午後2時ごろ:大阪府警吹田署に遺失物届を提出し、会社に紛失を報告。
- 2022年6月22日午後3時45分ごろ:ビプロジーから尼崎市にUSBの紛失についての電話連絡があり、尼崎市が紛失の事実を知る
- 2022年6月24日:社員の記憶やかばんに入ったスマートフォンの位置情報などを基に、マンション敷地内でかばんを発見
尼崎市民の個人情報が入ったUSBを紛失した社員は、データを持ち出した理由について
「事前にデータ更新作業を行うことについて承認を得たため、(本来職員の立ち合いがいる)データ持ち出しの許可を得たと思い込んでしまった」
と話しているんだそう。
カバンが発見された際は、USBメモリ2本(1本は予備)やスマホなども含め、なくなっているものはなかったとのこと。
尼崎市から業務委託を受けたビプロジー(旧日本ユニシス)は、「管理体制の見直しと協力会社への指導を再徹底し、再発防止に努める」と話しています。

【尼崎USB】委託業者の再委託に対するみんなの反応は?
まとめ
【尼崎USB】委託業者の再委託は違法?!紛失の経緯を徹底解説!